先日,当工房で使っている備長炭の『釜』。
和歌山県田辺市にある紀州備長炭の工房に
お邪魔させていただきました。
備長炭の歴史は古く、1200年前も昔の平安時代にさかのぼります。
当時、南紀州の熊野地方の村々では、「熊野炭(ゆうやたん)」と呼ばれる炭が焼かれていま
した。
そして、江戸元禄時代に現在の和歌山県田辺市秋津川の製炭士たちが熊野炭を改良して備
長炭を考案し、炭問屋の備中屋長左右衛門がこれを完成させ、普及させたといわれていま
す。
ウバメガシなどの堅い木を材料とする備長炭は、白炭の中で最高級品とされています。和歌
山県の県木でもあるウバメガシは、木質が硬く、木そのものは建築や木工製品の材料には不
向きですが、長年受け継がれてきた製法で白炭として焼くとノコギリでも切れないぐらい堅く、
火持ちの良い炭ができあがります。
備長炭づくりは、ウバメガシの生育する太平洋側の温暖な地域、主に和歌山県や高知県など
で受け継がれており、現在は、その生産地にちなんで「紀州備長炭」「土佐備長炭」「日向備長
炭」などと呼ばれています。
これが原木となる『ウバメガシ』という木です。
到着すると早速職人の宮本さんにお会いできました。
こちらが工房。
ここは釜が5つあり5人の職人さんが紀州備長炭を作っております。
こちらは宮本さんの釜。
この日はまだ焼いている途中でした。
こちら釜の中。
大人一人が作業出来るくらいの高さ,スペースです。
この中にウバメガシを真っ直ぐ縦に敷き詰めていきます。
皆さん木は真っ直ぐばかりじゃないですよね??
でも真っ直ぐしないと収まりが悪い。。。。
こうやって真っ直ぐにしています↓↓↓
めちゃくちゃ面倒な作業ですね〜
ウバメガシ
ウバメガシを採った後です。 裏山。
ここは加工体験されたお客様が採った跡で職人さんたちはもっと奥だそうです。。。。。(汗)
紀州備長炭職人一人目の宮本さん(最長老です)
二人目 滝治さん
この方にも備長炭の奥深いお話をしてもらいました。
真ん中の色が濃くなっているのがわかりますか?
この濃くなっているところが火を起こしている途中に『パチッ』と跳ねる原因です。
職人は取り除きます。いい備長炭は跳ねません。。
焼き続け仕上がる頃には1/3の細さにまでなります。
腕の良い職人ほどこの締りが大きいのです。
三人目の職人さんは石戸谷さん
一番若い職人さんで元敏腕カメラマン。
たくさんの女優さん,タレントさん,アスリートの写真を撮っていた方です。
アルバムを見せていただきました。。。。。。。超有名どころばかりですよ。。。。。
もともとは東京でカメラマンの仕事しており、
東日本大震災後,産まれてくる子供のためもあり
2,3年前にこちらに来たそうです。
今は周りの職人さんたちに指導を受けながら頑張っています。
工房がある場所は空気もよくゆっくりとした時間が流れています。
今回は『窯出し』という最終の焼きあがった真っ赤になっているウバメガシを
釜から出す作業はありませんでしたが(後2~3日焼き続ける予定でした)
前回の写真を載せておきます。
掻き出した備長炭に灰をかけて冷まします。
尋常じゃない熱さです。。。
紀州備長炭はいろいろな効能を持っており
奥の深い物です。
これからもいろいろと紹介していきますで〜